麻雀をはじめて間もない大学生の頃,麻雀用品メーカー「かきぬま」主催の王位戦を記念して「かきぬま」から発売された麻雀牌『王位DEX』を購入した。
かれこれ40年近く前のことである。
定価15,000円と,当時としては少々値が張った。
全自動の麻雀卓「雀夢」が発売されてはいたが,まだまだ高嶺の花で,学生相手の雀荘の貸卓は,すべて手積みのものだった。
当時は,「背竹製」と「総ユリア樹脂製」の麻雀牌が平行して発売されていた頃で,新しいのは「背竹製」よりも「総ユリア樹脂製」という感覚があった。
汚れてもすぐにクリーニングできるし,「竹製」と違って背の品質が一定であるため「ガン牌」しにくいのだ。
ちょうど「総ユリア樹脂製」の背の部分に「竹色」以外のカラフルな物が出始めた頃であった。「11PM」で人気だった「巨泉の麻雀」では,背が「深緑」か「濃紺」の物が使用されていたように思う。
『王位DEX』には,背のカラーに「竹目模様」「竹色」「グリーン」「ブルー」と,4種類の設定があったが,その中から麻雀のマットの色とマッチする「グリーン」を選択したという記憶がある。
ケースはナイロン製でボロボロになったため,ある時期に社外品の「ベッチンアルミケース」に交換しているが,付属品等については当時の物がそのまま残っている。
今のように,ネット通販はなかったので,現金封筒に代金を入れて,直接メーカー宛に注文した。
1980年10月号の「近代麻雀」にも,その広告が掲載されている。
一筒の真ん中に「王位」という文字が刻印されたもので,今となってはなかなか稀少なものだと思う。