【今日の一枚】
『唇をかみしめて』吉田拓郎
1982年3月21日リリース(フォーライフレコード)
「吉田拓郎」の23枚目のシングルである。
『唇をかみしめて』は,日本のレコード業界初の片面レコードとして発売されたものである。
当時,日本において一般的なシングルレコードの価格は1枚700円であったが,本作は貸しレコード業界への対抗策として1枚400円で販売された。
「武田鉄矢」が原作・脚本・主演した映画「刑事物語」の主題歌である。
「武田鉄矢」から直々に依頼され,この映画のために描き下ろされた一曲で,歌詞の内容が全編「吉田拓郎」が育った広島県の方言である広島弁を用いたため話題を呼んだ。
1988年5月21日に,8cmCD盤で再発されたが,再発盤は『唇をかみしめて』に続いて『ジャスト・ア・RONIN』が録音された。
画像は,定価400円の「元盤」である。
大学生の頃のヒット曲である。「刑事物語」も映画館まで観に行った。
映画自体は,広島を舞台にした者ではないのだが,恋人との別れのシーンに合わせて広島弁のぶっきらぼうな言い回しで『唇をかみしめて』が流れはじめると,思わず涙腺が緩んだという記憶が残っている。
標準語の歌詞以外では,時に「大阪弁」の歌がヒットするが,歌詞の全編が「広島弁」の歌と言うのも珍しくこの曲以外に知らない。
もしかすると,貴重な一曲と言えるのかも知れない。