【今日の一枚】
『節子への手紙』海援隊
1974年9月10日リリース（エレックレコード）
「海援隊」の４枚目のシングルである。
1972年にミュージシャンとしてデビューし，数々のヒット曲を生み出した「武田鉄矢」だが，ファンのほとんどは男性ばかりであったという。
そんな中でいつも最前列で見つめる美人の女性と交際をはじめ半年で結婚した。「武田鉄矢」は，妻節子さんに届いた母から手紙を，そのまま歌にしたという。
中学生の頃にリリースされた曲である。
今ではほとんど見られないが，当時は「フォークソング」のジャンルに，このように手紙の内容から歌詞を作った曲が時々見られた。
おそらく，微妙なフィクションは含まれるのだろうが，いわゆる「私小説」を思わせる曲に仕上がるので，「フォークソング」の曲としてちょうどよい題材だったのかも知れない。
スマッシュヒットに終わった一曲だが，個人的には「フォークソング」のジャンルにしか見られないこのようなさりげない曲は好きである。
それにしても，レコードジャケットに写る髭を生やした「武田鉄矢」は，今後二度と見れないだろうと思う。
