【今日の一枚】
『ほんとだよ』遠藤賢司
1969年2月1日リリース(東芝レコード)
「遠藤賢司」のデビューシングルである。
「遠藤賢司」は,1968年8月に京都・山崎の宝寺で開催された「第3回フォークキャンプ」に初めて参加,1969年から1971年にかけて,三度行われた「中津川フォークジャンボリー」にも出演し,この曲でデビューを飾った。
「遠藤賢司」のデビュー曲『ほんとだよ』は,アコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングに,優しく語りかけるような歌詞が重なっていく名曲である。
その後の『夜汽車のブルース』や『満足できるかな』に見られるハードに歌い叫ぶ「遠藤賢司」のイメージがらはかけ離れていて,デビュー曲はこんなにも穏やかなラヴ・ソングだったのだと思わせるものがある。
遠藤賢司の音楽をは,「心臓も裂けんばかりの【動】,闇夜に針の穴を通すような集中力の【静】」と表現されることがあるが,この中間の無い両極性がこそ彼の魅力なのだと思う。
A面の『ほんとだよ』には、ジャックスの木田高介のフルートがフィーチャーされていて,B面の『猫が眠ってる』には「加藤和彦」,「西岡たかし」,「早川義夫」が参加している。
シングル盤の『ほんとだよ』は,70年のデビュー・アルバム「niyago」収録のものとは別バージョンの演奏となっている。
残念ながら,画像のレコードは,1969年リリースの「元盤」ではない。
1995年に復刻盤が発売されたものを,即買いで入手したものである。
大ヒットした曲ではなく,マニアの間に少数が出回ったと思われるレコードであるから,今となっては「元盤」を入手するのは至難の業かも知れない。