酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

車掌

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バスが今のような「ワンマンカー」になる前,バスの昇降口には車掌がいた。

乗る際行き先を告げると,その停留所までの切符を切ってくれた。
降りたい停留所が近づくと,車掌に手を上げて合図をする。
次の停留所で止まれという合図がブザーで運転手に届けられる。
運賃の受け渡しは全て車掌の仕事で,腰の前にぶら下げた黒い鞄からお釣りを出してくれた。

車掌は子どもにも気さくに話しかけてくれた。
「どこから来たか?」とか「何をしに行くのか?」とか,子どもに対して当たり障りのない質問をしてくれるのだ。
車掌さんとたわいもない話をしながらバスの旅を楽しんだものである。

いつの頃からかバスは「ワンマンカー」となった。
人件費削減のためだと思うが,人と人とのほのぼのとした繋がりも削減されていった。