百貨店の屋上に「遊園地」と呼ばれる遊技施設が設置されていた時代があった。
子供たちにとって百貨店に買い物に行くということは一大イベントであった。
普段は着ることのない「よそ行きの服」というものがあってそれを着せられて買い物に行った。
買い物が終わったら,屋上の「遊園地」で遊び最上階の「食堂」で昼食をとる。
小さなチキンライスの山にいろいろな国の国旗を立てた「お子様ランチ」を食べられることが嬉しくてわくわくしながら百貨店を目指したものだ。
緑色の炭酸飲料の上に白いクリームがのった「クリームソーダ」も憧れの的だった。
食事が終わったら屋上に設けられた「遊園地」で遊んで帰る。
そんな一日を過ごすだけで「都会」に触れた気分に浸ることができたのである。
百貨店の屋上に「遊園地」はなくなってしまった。