小学生の頃,理科の時間に「鮒の解剖」があった。
子供たちが捕まえてきた鮒にクロロホルムを嗅がせて,昏睡状態になったところを解剖するのである。
先生が30㎝ほどの鮒にクロロホルムを嗅がせたのだが麻酔が効かなかったので,鮒を流し台に正面から叩きつけて殺していたのが衝撃的で,解剖よりもその場面の方が記憶に残っている。
中学生になると,理科の時間に「蛙の解剖」があった。
生徒たちが捕獲した「食用蛙」を解剖するのだが,手足のある動物を解剖するからであろう,小学生の時に解剖した鮒よりも残酷感を感じたことを覚えている。
女子が悲鳴を上げたり,中には涙ぐむ子もいた。
そういった喧騒の中,何人かの心強い生徒達の手によって解剖が進められていった。
生き物に対する保護が重視されるようになってからだと思うが,小・中学校では「解剖」の授業はなくなってしまった。
もう一度やりたいとは思わないが,考えてみれば残酷な時代だった。
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