【今日の一枚】
『蒲田行進曲』松坂慶子・風間杜夫・平田満
1982年10月21日リリース(日本コロムビア)
原曲はプラハ生まれの作曲家ルドルフ・フリムルの1925年のオペレッタ「放浪の王者」の中の『放浪者の歌』である。その旋律に「堀内敬三」が歌詞を付けて,松竹映画「親父とその子」(1929年,監督・五所平之助)の主題歌として発表された。
1929年(昭和4年)8月に日本コロムビアからレコードが発売されて流行歌となり,松竹キネマ(現・松竹株式会社)蒲田撮影所の所歌としても採用された。
この歌が,映画『蒲田行進曲』(1982年:監督・深作欣二)の主題歌として使用されたのを機に,「松坂慶子」「風間杜夫」「平田満」の3人によるカバー盤が発売されたのである。
昭和初期の,レトロな雰囲気を醸し出すメロディーに,キネマ全盛期を彷彿とさせる歌詞が乗って,聞いていて実に心地よい。
この映画がヒットした時には,私は既に就職していた。
EP版のシングルレコードを購入したのは,ほぼこれが最後に近い頃だったと思う。
そろそろ時代は「コンパクトディスク」,所謂「CD」の時代へと移行しはじめていたのである。