「恵方巻」とは,節分に行うと縁起が良いとされている「巻き寿司(太巻き)」を食べる習慣である。
江戸時代の終りから明治時代の初めに,大阪の花街を中心に始まったとされるものである。
その年の「恵方」の方角に向いて,切っていない巻き寿司をそのまま食べて行くのだが,食べ終わるまで言葉を発することは禁じられている。
「恵方巻」という名称は1998年(平成10年)にセブンイレブンが全国発売にあたり商品名に「丸かぶり寿司 恵方巻」と命名したことにより急速に広まったと言われている。
それ以前は「丸かぶり寿司」「節分の巻きずし」「幸運巻寿司」などと呼ばれていたことが文献にあるが,「恵方巻」と呼ばれていたという文献は見つかっていない。
関西地域に広がっていた大阪花街の「奇習」が,セブンイレブンの広告力で全国展開して「恵方巻」と呼ばれるようになったもののようだ。
子供のころ,少なくとも私の故郷にはこのような習慣はなかった。
とりあえず,ずいぶん新しく全国に広まった習慣であることに間違いはなさそうである。