酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

焼却炉

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小学校や中学校の運動場の片すみに焼却炉があった。

清掃時間になると,係の生徒が教室のゴミをゴミ箱ごと焼却炉の前に運んで行く。
焼却炉担当の先生が焼却炉の前で待ち受けていて,ゴミ箱のゴミを焼却炉の中に投入し燃やしてくれた。

一度に大量のゴミを燃やすことになるので,焼却炉の中が不完全燃焼となりこれまた大量の煙が出る。
その煙に咽せながら,担当の先生とゴミ捨て係はゴミを燃やすことに悪戦苦闘したものだ。

教室から出た紙類やビニール類を一度に燃やすため,時にはビニールが燃える,何とも言えない嫌な臭いがして,焼却炉担当の先生も大変だったと思う。

時には放課後,先生が密かに,学校の傍の道路で轢死した猫や犬を燃やしていたこともあったが,それくらいのことは普通におこなわれていた時代だったのだろう。
それが問題になったということはなかった。

ダイオキシンの問題や学校近隣からの苦情により,学校に設置された焼却炉は次第に撤去されていった。

今では教室から出たゴミは,ゴミ収集車に「可燃物」として処理されるのだが,一方で「ゴミ問題」という環境問題の原因となっている。