酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

『ひらけ!チューリップ』間寛平

【今日の一枚】
『ひらけ!チューリップ』間寛平
1975年8月25日リリース(徳間音楽工業)

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『ひらけ!チューリップ』は,日本のお笑いタレント「間寛平」の歌唱による,パチンコを題材としたコミックソングである。

私が物心ついた昭和の中頃は,パチンコ屋に自家用車で行く者など皆無だった。
子供が近寄る場所ではないときつく止められていたが,時折覗く店の中から聞こえてくるパチンコ玉の音と音楽に興味をそそられたものだ。

釘を読み,パチンコ玉を右へ左へと打ち分ける技術こそが必勝法であり,パチンコの醍醐味だった時代である。

大学生になってパチンコを始めたが,当時はまだ「手打ち」のパチンコ台が店の大半を占めていた。そろそろ「羽もの」などの役物台が出始めた頃である。あの名器「ゼロファイター」にも手打ちの台が存在していたことを記憶している。

授業もそこそこに,朝からパチンコ屋に入り浸り,昼食を挟んで夕方までパチンコに没頭したものだ。

予定終了すれば,5,000円程の景品が手に入った。現在のように一発当たれば数万円という時代ではなかった。数百円の勝負ができたので,大学生の身分でも十分パチンコという遊戯が楽しめたのである。

パチンコのデジタル化と射倖性の強化の中で,当時の風情は失われていった。