酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

『圭子の夢は夜ひらく』藤圭子

【今日の一枚】
『圭子の夢は夜ひらく』藤圭子
1970年4月25日リリース(日本ビクター)

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藤圭子」の3枚目のシングルである。
前作の『女のブルース』の後を受けて10週間連続オリコン1位にランクされた。
また,1位『圭子の夢は夜ひらく』・2位『女のブルース』と2週間にわたり1位・2位を「藤圭子」曲が独占した。

藤圭子」は,この曲で「第1回日本歌謡大賞」を受賞し,年末の「第21回NHK紅白歌合戦」に紅白初出場を果たした。

小学生の頃のヒット曲である。
高度経済成長という華やかな日本の発展の一方で,大学の学生運動が激化していく暗い世情を映し出すような歌詞が当時の若者の心を鷲掴みにした。

小学生の私には,歌詞の意味は細かく理解できなかったが,メロディーが難しい曲ではないので良く口遊んでいたように思う。

それにしてもこの曲を,当時二十歳そこそこの「藤圭子」が,ここまで歌い上げるのだから,彼女の歌唱力には脱帽するしかない。
個人的には,特に2番の歌詞が印象に残っている。

今でもこの曲を聴くと,ピクリとも表情を変えずに,遠い一点を見つめるようにして歌う「藤圭子」のテレビ映像が蘇ってくるようである。

『夢は夜ひらく』は後に,「八代亜紀」・「五木ひろし」・「美空ひばり」・「西田佐知子」など多くの歌手によりカバーされているが,やはり「藤圭子」のそれにかなう者はいないと思う。