【今日の一枚】
『夢は夜ひらく』園まり
1966年9月5日リリース(ポリドール)
「園まり」の24枚目のシングルである。
『夢は夜ひらく』は,「曽根幸明」が作曲した日本の歌謡曲で,「園まり」が歌ったものと「藤圭子」が歌ったものが特に有名である。
「藤圭子」版のタイトルは『圭子の夢は夜ひらく』となっていて,歌詞が「園まり」版とは多少違っている。
原曲は,「東京少年鑑別所」(練馬少年鑑別所)で歌われていた俗曲を採譜・補作し「曽根幸明」が自ら「藤原伸」という名義で歌った『ひとりぽっちの唄』(1966年・テイチクレコード・作詞「川上貞次」(曽根のペンネーム))であるといわれている。
『ひとりぽっちの唄』の歌詞・曲名を新たにつけかえたものを「園まり」がリリースしたのである。『夢は夜ひらく』というタイトルでの最初のリリースが「園まり版」であった。
その後多くの歌手にカバーされ,中でも1970年発売の『圭子の夢は夜ひらく』(「石坂まさを」作詞)は「藤圭子」の代表曲となった。1999年には「石坂まさを」の作詞家生活30周年を記念し,「藤圭子版」の歌碑が出身地である東京都新宿区の花園神社に建てられている。
『夢は夜ひらく』というタイトルで歌詞の異なる様々なバージョンがあり,「JASRAC」には20を超える作詞者による,異なるバージョンが登録されていると言われている。
歌詞だけ変えて,同じメロディーの曲をリリースされることはあるが,これほど多くのバージョンが存在している曲は,他に例を見ないのではないかと思われる。