大学時代、金がなくなってくると日本酒の代わりに焼酎を買って呑んだ。
酒屋のおばちゃんに「焼酎ください」と言うと、「若いのに焼酎飲みはるの?九州の学生さん?」などと聞かれて訝しがられたものだ。
「6:4のお湯割り」というCMとともに焼酎が脚光を浴び、様々な種類の焼酎が店頭に並ぶようになったのは随分後のことで、当時酒屋には焼酎といえば「さつま白波」くらいしか置いていなかった。
焼酎を飲むという行為自体が、何となく蔑視されるという時代的な風潮が残っていて、特定の客層にしか需要がなかったのだと思う。
さすがに今では「さつま白波」しか呑まないということはなくなったが、それでも「芋焼酎」しか呑まないという嗜好は、あの頃以来続いている。