酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

『チューリプのアップリケ』(A面『流れ者』)岡林信康

【今日の一枚】
『チューリプのアップリケ』(A面『流れ者』)岡林信康
1969年3月5日リリース(日本ビクター)

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『チューリプのアップリケ』は,岡林信康3枚目のシングルのB面(A面『流れ者』)に収められた曲である。母親が家出し,父親にもあまりかまってもらえない未解放部落の女の子が,切ない心で帰ってこない母親に呼びかける歌である。

岡林信康自身が,琵琶湖干拓宅建設工事現場で働いている中できた曲で,部落問題を扱っており,「超Aランク放送禁止歌」とされている。

当時,彼らの部落解放運動のアジトによく来ていた「セツ子ちゃん」という女の子の作文を元にした歌であると岡林信康自身が述べている。

また,ある時期知的障害を持つ子どもたちのいる養護施設でボランティア活動をしていたときに,養護学級の先生から「これ歌になりませんか?」と,断片的に書きなぐられた作文のようなものから,いくつか言葉をピックアップして,それに以前知人から聞いた話を元に岡林信康本人の創作をつけてできた歌だとも述べている。

ラジオから流れるこの曲を初めて聴いたのは中学生の頃だった。中学生当時でさえ,心に込み上げてくる何かを感じながら,「プロテストフォーク」の真髄のような歌だな…と思った記憶が残っている。
このレコードは,高校生になって入手したものだと思うが,今でも大切に保管している。