【今日の一枚】
『関白宣言』さだまさし
1979年7月10日リリース(フリーフライトレコード)
シングル盤に限定すると,「さだまさし」最大のヒット作であり,総計169万枚というミリオンセラーを記録する大ヒットとなった。
しかし,さだ自身「『一番売れた曲』イコール『一番良い曲』ではない」と言っている。聴衆からの人気もさほど高くはなく,テレビやラジオなどの企画で,ファンによる人気投票をしても,この曲はベスト5にも入ってこない。
1979年,「さだまさし」は,この曲で「第30回NHK紅白歌合戦」に出演した。
大学生になったころのヒット曲である。
当時は,歌詞の内容が「女性蔑視」だとか「女性差別」だとか「男尊女卑」だとか,いろいろな方面からいろいろに揶揄された。
今聴いてみると,結婚を前にした男が相手の女性に向けて「亭主関白」となることを宣言しつつも,自分のもろさや弱さ,相手への深い依存心をのぞかせ,不器用な愛情を吐露していくという,頼りない男の歌にしか聞こえない。
そんな時代だったのだろうと思う。
「さだまさし」自身,長年の心境の変化があったのか,その数年後,『関白失脚』が作られている。