【今日の一枚】
『イムジン河』ミューテーション・ファクトリー
1969年7月(通信販売)リリース(URC)
小学生の頃にリリースされた曲である。
日本で最初のインディーレーベルでもある会員制レコードクラブ「アングラ・レコード・クラブ」の第一弾としてリリースされた。
実は,先にリリースされた「ザ・フォーク・クルセダーズ」の『イムジン河』が,「レコード倫理審査会」の判断で発売中止となったのである。
「リムジン江(朝鮮読み)」で分断された朝鮮半島について歌った内容であったため,当時の「レコード倫理審査会」が,国際親善事項に触れる等の理由から「ザ・フォーク・クルセダーズ」の『イムジン河』を発売中止したのだ。
レコードジャケットにある「ミューテーション・ファクトリー」は,「松山猛」「平沼義男」「芦田雅喜」によるフォークグループで,発売中止となった『イムジン河』を何とか形として残そうと,急遽結成されたグループである。
「北山修」をディレクターに迎えて「松山猛」の訳詞,「加藤和彦」の編曲による『イムジン河』を吹き込み,「アングラ・レコード・クラブ(URC)」から会員配布(通信販売)されたもので,もともとの部数が少ないため希少価値のあるレコードである。
1971年7月に市販用シングルが発売された(7インチシングル盤規格品番は配布版・市販1stプレスがURS-0001,市販再発版がURT-0057)で,画像は「URS-0001」のものである。シングルB面は同曲の朝鮮語版(ジャケットでは「リムジンガン」と表記)。
日本のフォークソング史を語るとき,絶対に避けては通れない幻の名曲として歌い継がれていくべき一曲と言える。