塚本邦雄　第6歌集『感幻樂』 - 酒呑み親父のよもやま噺

第6歌集『感幻樂』

昭和44年9月9日（白玉書房）菊判変形貼函附　角背　122頁　帯附
装釘：塚本邦雄　定価1,200円
本文組：5首/頁（1首1行）

f:id:yomoyamayomoyama:20190410175655j:plain

f:id:yomoyamayomoyama:20190410175714j:plain

f:id:yomoyamayomoyama:20190410175735j:plain

第6歌集『感幻樂』を初めて手にしたのは，大阪の古書店「浪速書林」が発行する「浪速書林古書目録」から注文したものであった。

目録には「ペン書き署名」「極美」の記載もあったし古書価も手頃な設定だったのだが，実際には背に微妙な「痛み」と「日焼け（色褪せ）」があり，函がわずかに「ヤレ」ていた。

塚本邦雄の初期の歌集は「読まれた」物が多く「美本」状態の物が古書目録に登場することは稀である。
年代を考えると「美本」の部類であった。

画像の歌集は，私が手にした2冊目の『感幻樂』ということになる。
東京都の古書店「石神井書林」が発行する「石神井書林古書目録」から入手したものである。

「オレンジカバー」に特有の「背焼け」もなく，函にも「ヤレ」のない「未読本」だと思われる。
当時のものと思われるのびのびとした筆で「歌・署名」が施されている。

若死を蔑するまでにこころ堕つあをあをとけふみづのうへの夏至　　邦雄　　『感幻楽』所収

目録の古書価も手頃な設定だったので，即座に注文の電話を掛けた記憶がある。
今までのところ，私が目にした中では一番状態の良い『感幻樂』である。

現在「石神井書林古書目録」は，100号をこえている。