酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

野良犬

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昭和40年代までだろうか,町や河原には野良犬や野良猫が棲息していた。

今のように衛生環境が良い時代ではなかったので,野良犬にとっては容易に餌となる食料を確保することが可能だったのだろう。

時折「犬捕り」と呼ばれる業者の車が来て野良犬狩りをしていたが,今のように完全に駆除するまで徹底したものではなかった。

子どもたちは「犬狩り」と称して,石や棒を持って野良犬を追いかけ回して遊んでいた。
上級生の中には,息の根を止めるまで責め立てていた人たちもいた。
「動物愛護」という意識などなかった時代である。

最近ではあまり見かけなくなったが「スピッツ」という品種の高い声でよく鳴く犬がいた。この犬が事あるごとに「キャンキャン」と鳴きながら子どもに絡んできて,時には子どもを噛むこともあった。

たいてい傷口には「赤チン」を塗って手当をしたのだが,思えば「狂犬病」の危険と隣り合わせの時代だった。

町に野良犬の影を見かけなくなって久しい。