【今日の一枚】
『葛飾にバッタを見た』なぎら健壱
1974年8月10日リリース(エレックレコード)
『悲惨な戦い』の約半年後にリリースされた「なぎら健壱」の2枚目のシングルである。
「なぎら健壱」を知ったのは,高校生になってからだった。
初めて聴いたのは,放送禁止処分にもなった『悲惨な戦い』だった。
この曲は,その次くらいに聴いたのだと思うが,私はこの曲の方に感動を覚えたという記憶がある。
下町に住む素朴さを誇らかに描いた歌であるが、曲の物語性と言い,最後のオチと言い,完璧なまでに計算され,完成された一曲だと思っている。
「なぎら健壱」の楽曲の中でのベスト曲ではないかという気持ちにさえなってくる。
現在では「当時とは生活・心境が異なる」という理由で殆ど歌われることがなくなってしまったことが残念な一曲であるが,フォークソング史に残る名曲の一つと言えるだろう。