酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

『池上線』西島三重子

【今日の一枚】
『池上線』西島三重子
1976年4月25日リリース(ワーナーパイオニア

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「西島三重子」の2枚目のシングルである。
1975年9月にリリースされた西島のファーストアルバム「風車」収録曲で,人気が出てきたのでシングル盤としてカットされた。

東急池上線を舞台に,別れる男女の悲哀を女性の視点から歌い,車内や駅の様子,踏切や商店街のある沿線風景など,当時の昭和の情景も織り交ぜた歌詞となっている。
「電車の隙間風に震える」とか「駅を降りた角のフルーツショップ」などがそうである。

この曲は有線放送などを通じて長い時間をかけてじわじわとヒットした。
そのため「西島三重子」本人にすら「ヒットしたという意識はない」まま,後世の人々にフォークソングの「懐メロ」として親しまれていったのである。

1970年代のフォークソング名曲集などにも収録され,何人もの有名歌手がカバー曲を発表し「昭和の名曲」として歌い継がれていった一曲と言えよう。

個人的には,「池上線」自体に縁もゆかりもないが,今でもこの曲を聴くと,大学生の頃によく利用した「阪急電車」沿線が思い出されて胸が締め付けられるのである。