酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

旅で見つけた『看板』

旅をしていると,時々心を奪われるものに出くわすことがある。
珍しいものに出くわすと,写真におさめたり見とれたりして要らない時間を費やしてしまうのである。

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法隆寺の散歩道でこの看板を見たとき,思わず笑みがこぼれた。

これを設置した人は,飼い主に連れられて散歩中の犬の「小便」に困っている人なのであろうが,とても人間のできた人であると思う。

まず,飼い主に注意をしていない点である。

「犬に告ぐ!ここでおしっこをするな。」と,直接的に犬に対してのメッセージを書いている。
もちろん犬に字が読めるはずはなく,この看板は飼い主が読むことになるのだが,いずれにしてもこの婉曲な言い回しがとても滑稽で魅力的ではないか。

さらに,犬が「小便」を我慢できない場合を想定して,その解決方法を提示している点である。

「どーしても、したけりゃ おまえの後ろに ミゾがある!!」
この解決策についても,これを読んだ犬自身が自発的に行動に移せるはずはなく,もちろん飼い主への提案メッセージなのであるが,なかなか余裕を感じるものがある。

この看板を制作した人はどんな人なのだろう。
知的なユーモアがあふれる魅力的な人に違いない。

なんだか少し嬉しい気分になりながら法隆寺の周辺を散策した次第である。