酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

『落陽』山田パンダ

【今日の一枚】
『落陽』山田パンダ
1976年9月25日リリース(クラウンレコード

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山田パンダ」のソロ4枚目のシングルである。
『落陽』は,1973年に「中野サンプラザ」で行われた「吉田拓郎リサイタル」で初めて発表され,その時の演奏がライブアルバム「よしだたくろう LIVE'73」に収録された。

よしだたくろう」の作品の中でも,『春だったね』とともに,あまりにも有名な一曲であり,ファンからの人気も非常に高い曲として知られている。

山田パンダ」の13年後の1989年には,「よしだたくろう」自身もシングル盤(8cmCD)をリリースしている。

よしだたくろう LIVE'73」で,はじめてこの曲を聴いたのは中学生の時だった。作詞を担当した「岡本おさみ」が,北海道を放浪した時の実体験に基づいており,旅の途中で出会った老人のサイコロ賭博に明け暮れることに至った人生と,苫小牧港から仙台港に向かうフェリーに乗る自分をわざわざ見送りに来てくれたその老人との,港での別れ際の情景を歌っている。

旅で行きずりの博打打ちの爺さんとの,もう二度と会うこともないだろう別れの淋しさを,細かい情景描写とともに見事に描いた名曲であると言える。

おそらく,このようなシチュエーションで,男どうしの別れを描いた曲はないのではないだろうか。
久しぶりに,レコードで『落陽』を聴いている。