酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

『唐獅子牡丹』高倉健

【今日の一枚】
『唐獅子牡丹』高倉健
1966年10月15日リリース(キングレコード

f:id:yomoyamayomoyama:20210421063731j:plain

高倉健」の9枚目のシングルである。
1966年1月13日に公開された日本映画「昭和残侠伝シリーズ」の第2作「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」の主題歌として「高倉健」が,劇中でも歌った曲の歌詞を改変しリリースしたものである。レコードでは3番までの収録だが,歌詞は7番まで存在する。

1970年に,「三島由紀夫」と「楯の会」とが市ヶ谷駐屯地を占拠する際に,市ヶ谷へ向かう車中でこの曲を歌ったという逸話がある。また,全共闘の学生たちがバリケードストライキを行った際に,バリケードの内側で好んでこの曲を歌ったと言われている。

小学生の頃にリリースされた曲である。
まともにこの曲を聴いたのは大学生になってからであった。

高倉健」の歌は,決して上手ではないが,不器用な男の心情が伝わってくるところが魅力的である。

大学生の頃,暇つぶしもかねてよく深夜映画を観に行った。
今のような入れ替えもなく,3本立てくらいの映画を繰り返しオールナイトで観ることができた。夏などは,エアコンのない下宿で過ごすよりよっぽど快適だったのだ。

鶴田浩二」や「高倉健」が主演の任侠物の日本映画が3本立てでよく上映されていた。

「義理と人情を秤にかけりゃ」で始まる歌詞は,劇中での「高倉健」の決め台詞「死んでもらいます」と共に流行語となり,友達と麻雀をするときによく真似をしたものだ。

映画を見終わると,「健さん」になった気分で肩を怒らせながら劇場を出て帰路についたものだ。レコードもその頃,古本屋か何処かで買ったように記憶している。