酒呑み親父のよもやま噺

探求心旺盛な酒呑み親父の随想録

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

昆虫採集

「昆虫採集」が夏休みの宿題だった時代があった。 今では考えられないことだが,赤色と青色の怪しい液体にピンセットや注射器が付属した「昆虫採集セット」というグッズが玩具屋で販売されていた。 手当たり次第に昆虫を採って標本にするのだから昆虫にとっ…

予防接種

日本脳炎やインフルエンザの予防接種を学校で行っていた時代があった。医師の前に出席番号順に並び,流れ作業のように注射を受けるのである。 注射器を使い捨てていた時代ではなかったので,時には一本の注射器で3人に接種した。「最初の1人目がいちばん痛…

塚本邦雄 第16歌集『不變律』

第16歌集『不變律』昭和63年3月5日(花曜社)A5判貼函附 丸背 216頁 帯附装幀:政田岑生 定価3,800円本文組:2首/頁(1首2行) 塚本邦雄でも,この辺りの歌集になると割と頻繁に古書店で見かけるようになっていた。発行部数も初期のものに比べると安定したの…

広島県福山市 ラーメン【 十八番 】

広島県福山市にある老舗ラーメン店【 十八番 】 昭和39年創業の老舗ラーメン店である。スープは鶏ガラベースに魚介系の干物のダシが効いた醤油味だが,醤油の味はあまり濃くはない。 麺は自家製麺である。元麺屋の主人が始めたラーメン店ということで,麺は…

斜め懸垂

体力テストと健康診断と出席日数などを総合して一定の基準を満たした児童に与えられる「健康優良児」という制度があった。「斜め懸垂」が体力テストの種目の中にあって当時の小学生たちは誰しも「健康優良児」を獲得しようと必死になって挑戦した。 「健康優…

広島県東広島市 ラーメン【麺屋 我馬】

広島県を中心に展開するラーメンのチェーン店【麺屋 我馬】 チェーン店で展開しているラーメン屋に寄ることは稀なのだが,この度は連れの誘いに乗った。 外観はチェーン店ならではのラーメン屋にしては上品な造りだ。店内も私がよく通うラーメン屋に比べると…

塚本邦雄 第10歌集『されど遊星』

第10歌集『されど遊星』昭和50年6月20日(人文書院)菊判変型貼函附 丸背 328頁 帯附装釘:政田岑生 定価3,500円本文組:1首/頁(1首1行) この歌集については何度も買い替えながら今に至っている。 塚本邦雄でも,この辺りの歌集になると割と頻繁に古書店で…

魚屋

自転車の後ろにトロ箱を積んだ魚屋が来ていた時代があった。 商店街の店先の邪魔にならないお決まりの場所に陣取って商売を始めるのだ。しばらくすると近所のおばさん達が魚を買いにやってくる。子供たちは目の前で魚を捌く魚屋の包丁さばきに見惚れたものだ…

岡山県高梁市 支那そば【味屋食堂】

岡山県高梁市の【味屋食堂】 「支那そば」という言葉をご存じだろうか。 今では死語となっているかと思われる言い方だが,私が子どもの頃にはいわゆる「ラーメン」のことを「支那そば」と呼んでいた。戦後「支那そば」という名称で広まった大衆食堂のラーメ…

塚本邦雄 第3歌集『日本人霊歌』

第3歌集『日本人霊歌』昭和33年10月31日(四季書房)B6角背 カバー附160頁 帯元より無し挿画:勝呂忠 定価250円本文組:3首/頁(1首2行 20字/行) 大阪市の「浪速書林」が発行する「浪速書林古書目録」から入手したものである。 カバーにまで痛みのない「美…

打ち水

夏の夕暮れ…。 玄関先に打ち水をする光景を見かけなくなって久しい。気化熱の原理など知らなかったが打ち水をするとなんとなく涼しくなって行くのを感じることができた。たいてい祖母か母が打ち水をしていたところをみると女の仕事だったのだろう。 男の仕事…

井戸

子どもの頃家には井戸から水をくみ上げるための手動ポンプがあった。 町には上水道が普及しはじめた頃で飲料用には上水道の水を,洗濯や風呂には井戸の水をというように上水道の水と井戸水とを併用していた。 母の里の田舎にはまだ上水道がなかった。裏庭に…

岡山県倉敷市 ラーメン【 第2又一 】

岡山県倉敷市にあるラーメンの老舗【 第2又一 (またいち)】 創業以来50年の歴史を持つ倉敷の老舗ラーメン店である。古くから倉敷にあった人気店「又一(昭和48年に閉店)」の親戚が「第2又一」として開店した。 豚骨スープの醤油味であるが他のラーメン…

柱時計

祖父の代から時計店を営んでいた関係でわが家には無数の時計があった。廊下の壁面には常時20~30台の修理済みの柱時計が掛けられていて時間調整のために時を告げていた。 修理済みといっても今のような電池時計や電波時計の正確さは求められていなかった時代…

ちまき

小学校4年生の音楽の教科書に「せいくらべ」という唱歌があった。 その歌詞の中に「ちまき食べ食べ兄さんが計ってくれた背の丈…」という一節がある。当時の生徒たちは誰もその「ちまき」を知らなかった。すでに家庭で「ちまき」を作っていた時代ではなかっ…

父親参観日

小学生のころ「父親参観」という,参観者が父親のみという参観日があった。参観日は母親が参観するのが普通だった時代に,父親をターゲットに行われたイベントである。 父が小学校5年生の時の算数の授業を参観してくれた。父が参観日というものに来てくれた…

岡山県井原市 笠岡ラーメン【笠北】

岡山県井原市の笠岡ラーメンの店【笠北】 開店が2016年1月の新しい店である。店自体は新しいのだが,主人はあの笠岡ラーメンの老舗「坂本」で修行したというから筋金入りである。 見た目は良くある笠岡ラーメンなのだが,昔ながらの笠岡ラーメンに比べてスー…

駄菓子屋

学校が終わると子どもたちは,毎日貰う10円の小遣いを握って町の駄菓子屋へと走った時代があった。 今のように,ショッピングセンターやゲームセンターなどなかった時代である。まして,デジタル系のゲーム機で遊ぶ時代が来るということなど想像だにしなか…

交差点

現在のように交通量が多くなかった昭和40年代の初め頃までは,町の殆どの交差点に信号機がなかった。 車両の数が少なかったのだろう,信号機などなくても事故や渋滞がそれ程起きていなかった時代である。「一家に一台の自家用車」の時代が来るのは,まだずい…

福助人形

祖父の代から商売をしていた関係で,子供のころ家には福助人形があった。裃姿で末広を腰にさした福助人形は縁起物で古くから客を呼び寄せる御利益があると言われていたようで,昔はたいていの商店にこの人形が置いてあった。 その時にはすでに店の奥に追いや…

蠅取り紙

食卓に並べられた料理にたかる蠅を払いながら食事をしていた時代があった。 夏ともなると無数の黒蝿や金蠅が食卓の周りを飛び交った。そのが当然の光景だったので,取り立てて汚いとも思わなかった。家の中には「虫」がいるものだと思っていた時代である。 …

ニッカブランデー X.O【 竹鶴秘伝 】広島・山口 限定

ニッカブランデーX.Oデラックス【 竹鶴秘伝 】広島・山口 限定 数年前に「終売」となった「地域限定」のブランデーである。広島・山口地域限定発売で,瀬戸内地域では入手できたようであるが今となっては稀少な逸品である。 瓶の背のラベルには,ニッカ X.…

ソノシート

レコードによく似た「ソノシート」というものがあった。 コスト的にはレコードより安かったのだろう,子供雑誌の付録として付いてくることもあった。ポータブルプレーヤーにかけ針を落とすと,音質は決して良いとは言えないまでもレコードさながらの音が出た…

広島県福山市 ラーメン【陽気】

豚骨醤油ラーメンの名店【陽気】(広島県福山市) 広島に本店を持つ開店30年の老舗である。メニューは,中華そばのみ600円也。 「豚骨醤油のラーメン」というジャンルが私の故郷に入って来たのは,昭和40年代のことでかなり新しいのだ。少なくとも私が幼い頃…

ブーメラン

小学生のころブーメランが流行ったことがあった。放課後ともなると校庭の上空に無数のブーメランが乱舞した。 「怪獣王子」というドラマがあって,主人公の少年がブーメランを持って戦っていたことに影響を受けたのだと思う。「怪獣王子」の少年張りに投げた…

岡山県津山市【 猿神社】

三年振りに「猿神社」に立ち寄った。 津山市一宮「中山神社」の奥山にある小さな神社である。『今昔物語(二六巻)』に記された「中山の猿」の霊を祀るとされる神社でその歴史は古い。今では岡山県のパワースポットの一つに数えられるようになっている。 こ…

ふうまん(今川焼き・大判焼き)

「今川焼き」とか「大判焼き」というのが一般的な呼び方のようだが,私が育った町ではこれを「ふうまん」と呼んだ。焼いた餡子入りの饅頭半分ずつを合わせて作るところから「夫婦饅頭」と呼んでいたのがその語源ということらしい。 粒餡と漉餡の二種類があっ…

たばこ屋

父の遣いでよく煙草を買いに行った。たいてい「ハイライト」か「ピース」を買って来るように言われた。 「ハイライト10個下さい」と言うとおばさんが紙袋に手際よく煙草を入れてくれた。いつもマッチを2個付けてくれていたように思う。大人は煙草を吸うのが…

ニッカウイスキー【 竹鶴21年 】

ニッカウイスキー【 竹鶴21年 】 「竹鶴21年」を定価?で買ってしまった。通りがかりのリカーショップで目を疑う光景に出くわした。 「竹鶴21年」が店頭表示価格12,980円に消費税の計14,018円という価格である。「ぴあウイスキー入門」2017年度版によると「…

練炭火鉢

朝起きると屋外に七輪を置いて練炭に火をつける作業が始まっている。ある程度練炭に火がつくと練炭バサミで練炭を屋内の火鉢にセットする。母の仕事だったように思う。 「練炭火鉢」という暖房器具があった。 時にはここで餅を焼いたりメザシやスルメ烏賊を…